オリンピック準決勝 韓国戦
侍ジャパンが韓国戦で勝利し、決勝に進出。銀メダル以上を確定させた。
その試合で、良くも悪くも目立ったのがオリンピック初スタメンとなった近藤健介であった。SNS上では近藤のプレーに対する批判が噴出しているが、それほど批判するプレーだったの振り返ってみた。
近藤が絡んだプレー
1.6回表ノーアウト レフト前への打球を近藤がはじいて打者走者が2塁へ 記録はワンヒットワンエラー
2.6回表ノーアウト2塁 レフト前ヒットで近藤のバックホームが逸れて1点を返される
3.6回裏2アウト1,2塁 2塁走者近藤が飛び出すが間一髪帰塁
4.8回裏1アウト1塁 1塁ゴロで打者走者の近藤が1塁セーフもオーバーラン?
6回表のエラー
エラーについては責められても仕方はないが、エラーも野球のうちである。一つ一つのエラーを責めていても仕方がないだろう。
6回表のバックホーム
近藤のバックホームについて、1塁側へ逸れて2塁ランナーが生還した。
この場面、サード村上がカットに入ったが、近藤の返球をスルーし、キャッチャー甲斐が捕球と同時にタッチに行こうとしたが、返球がハーフバウンドになったせいで甲斐が捕球できずボールはカバーに入ったピッチャー山本が捕球した。
そもそもホームへの返球がストライクでなければ批判されるというのがおかしい。カットマンがスルーした時点で返球が大幅に逸れているわけではないのである。運悪く送球はハーフバウンドになったが、そのバウンドに合わせた甲斐の捕球のタイミングが合わなかっただけである。
捕球できていればアウトのタイミングであったため、残念ではあるが、「返球が逸れた」と批判するようなバックホームではない。
6回裏の帰塁
2アウト1,2塁でバッター山田の空振りに2塁走者近藤が飛び出し、キャッチャーからセカンドに送球されるが間一髪セーフとなった。このプレーで韓国サイドがチャレンジ権を行使したが、判定は覆らずセーフ。
この走塁も批判には当たらない。2アウトであり、バットがボールに当たった瞬間に走り出そうとして起きたことである。これで帰塁できずアウトになっていれば批判されてもいいが、帰塁できているのである。批判どころか、賞賛すべき走塁ではないだろうか。
8回裏の走塁
1アウト1塁で打者近藤の打球は1塁ゴロとなり、韓国チームは併殺を狙ったが1塁はセーフ。このとき、近藤が1塁を駆け抜けた後、インフィールドにいたことでタッチされたが審判はセーフのコール。この走塁が最も批判を受けているものである。しかし、この走塁も批判には値しないと思う。
1塁を駆け抜ける際、韓国選手の1塁カバーの足が1塁ベースから離れて本塁側にズレていた。通常、打者走者は1塁ベースの本塁側を踏むところ、韓国選手の足が邪魔になり、近藤は1塁ベースの中程を踏んだ。これにより、近藤は少しバランスを崩し、1塁ベースを駆け抜けた後にインフィールド側に入ることとなってしまった。
近藤がアウトと勘違いしていたのではないかとの批判は、全く見当違いである。近藤は駆け抜ける際、1塁ベースを視認し、足が離れているのを確認している。さらに1塁ベースを踏んだ後、自分でセーフのジェスチャーをしている。したがって、セーフを確信していることは間違いない。
1塁ベースを駆け抜けた後フェアグラウンド内にいたことについての批判も見当違いである。前述の通り、近藤は1塁ベースを踏む際にバランスを崩してフェアグランド側に入ってしまっただけである。ファールグラウンドを走るのが常識なる批判もあるが、あの体勢からファールグラウンドに向かえば足首を捻る可能性もあるだろう。
例えば、サードゴロでサードからファーストへの送球が本塁側に逸れると、1塁手は1塁ベースから本塁寄りのファールグラウンドで捕球することがあるが、そのような場合には、打者走者は1塁手との交錯を避けるためにインフィールドを走ることになる。結局の今回の近藤の走塁も交錯を避けるために走った結果、バランスを崩してインフィールドに入っただけのことであって、何ら進塁の意思はなくアウトになるはずがないのである。
これでアウトになるのであれば、誤審だと騒がれることは間違いないだろう。ただ紛らわしいプレーであったことは間違いないが、紛らわしいとしても、近藤は惰性で走った結果ファールグラウンド側に行けなかっただけで、決して批判に値するプレーではなかった。
結局、批判の的になってしまうようなプレーに数多く絡んでしまった近藤ではあるが、個人的には全く批判に値しないと思う。1安打1盗塁で結果も残している。
批判したいのであれば、4番打者、その4番を起用しているベンチの采配ではないだろうか。決勝でも近藤は起用して欲しいと思うし、4番打者を変えないのかの方により注目したい。