8月14日 ロッテ戦 ライオンズ9回の攻撃
9回の表、4-3と逆転に成功したライオンズは、1アウトでなお2,3塁のチャンス。
ここで代打水口のスクイズは空振りとなり、スタートしていた3塁ランナー外崎は三本間に挟まれる格好となった。
しかし、外崎はマウンド側に膨らみながらロッテの捕手田村を避けて本塁に突入し、ホームベースを駆け抜け得点が認められた。
外崎はスリーフィートオーバーでアウトとなるかと思われたが、実際にはアウトのコールはなかった。何故だろうか。
スリーフィートオーバーしてもいい場合
ランナーがスリーフィートオーバーしたからといって直ちにアウトになるわけではない。
例えば、打球を処理しようとしている野手を避けるためであれば、走路から外れて(スリーフィートオーバーして)走塁することは認められている。野手にぶつかれば守備妨害となってしまうからである。
他にも、長打を打った際のベースランニングでは、塁間を膨らんで走っている(スリーフィートオーバーしている)が、当然アウトにはならない。
スリーフィートオーバーでアウトになる場合は、野手からの触球を避ける際に、野手の触球を避けようとして走路を外れた場合なのである。
外崎の走塁と田村の守備
さて、問題の場面、捕手田村はランナー外崎にタッチしにいったように見えた。しかし、タッチしにいったのは右手。ボールは左手のミットの中である。
すなわち、野手が接触を試みようとしていないのである。そのため、ランナー外崎は野手の触球を避けようとして走路を外れたわけではなく、アウトの宣告(スリーフィートオーバー)がなかったのである。
つまり、捕手田村は(理由はさておき)3塁に向かってボールを持って走っただけなのである。そして、ランナー外崎は、その野手との衝突(守備妨害)を避けたと判断できる。
捕手田村がボールを右手に持っていれば、ランナー外崎はスリーフィートオーバーでアウト。
ほんの少しの違いではあるが、それによって結果は正反対である。野球のルールは難しい。それを即座に判断できる審判はさすがである。