故意落球を取られた鈴木大地の守備

9月2日 ライオンズ-マリーンズの試合は、ライオンズ菊池、マリーンズ石川の両先発投手の投げ合いとなり、12回、1-1の引き分けに終わりました。

この試合、12回表ライオンズの攻撃中に、故意落球という判定に対して伊東監督が抗議に出ました。

故意落球とは

故意落球については、野球規則に次のように規定されています。

無死または1死でランナー1塁、1・2塁、1・3塁または1・2・3塁のとき内野手がフェアの飛球またはライナーを故意に落とした場合。ボールデッドとなって、ランナーの進塁は認められない。

「注1」本項は容易に捕球できるはずの飛球またはライナーを、内野手が地面に触れる前に片手または両手で現実にボールに触れて、故意に落とした場合に適用される。

公認野球規則6・05(l)より抜粋

故意落球の場面

12回表、ライオンズはノーアウト1,2塁でバッターはメヒア。

メヒアが放った打球は、ショート鈴木への低いライナー。ここで鈴木はライナーを捕球できず、体に当てて落としてしまう。鈴木はすぐさま2塁に送球したが、その時点ではすでにボールデットの判定がなされ、ライナーでの捕球がアウトと判定された。

審判の判断は、鈴木の落球が故意であったとのことである。そして、バッターアウトで1アウト1,2塁から再開である。マリーンズ伊東監督は審判に激しく抗議するも、判定は覆らず。

このとき、2塁塁審は鈴木がライナーを落球した時点ですぐにアウトを宣告、さらにボールデットを宣告している。ボールデットであるから、2塁への送球に対しても何ら判定していないのである。つまり、審判の判断は一貫しており、野球規則に照らしても全く誤りはなかったのである。

問題があるとすれば、「本項は容易に捕球できるはずの飛球またはライナー」に該当するか否かであろうが、こればっかりは審判の判断に委ねるしかないだろう。

伊東監督が「容易に捕球できずはずのライナーではない」と抗議すればいいのだが(それでも判定は覆らないだろうが)、抗議のしぐさを見ていると「落球したじゃないか!」と抗議しているように見える。怒り心頭の伊東監督ではあったが、この抗議は伊東監督の負けである。

故意落球は、見ている方にとっても、判断する方にとってもなかなか難しいルールである。

なお、体に当てることなく落球した場合(バントの小フライなど)には、故意落球の適用はない。

コメント

  1. 西武と言えばイマクルス より:

    お久しぶりです!
    最近仕事が忙しく全然プロ野球を見られていませんでした(笑)
    というかNPBの情報が全然入ってこない海外の僻地におりました(泣)

    帰ってきたらパリーグがめちゃくちゃ面白くなってるし!
    カープも大変なことになってるし!やばっ!!
    やっぱ野球って最高ですね(^^)

    さて、オンタイムで見ていたわけではありませんが、
    鈴木大地選手の故意落球、野球ルールフェチの私たち垂涎の事例ですね(笑)

    故意落球で近年の記憶にあるのは、中日時代の井端選手(遊撃手)のプレーです。
    西武だと二塁手を守っていた笘篠誠治(漢字間違ってたらすみません)が
    藤井寺の近鉄戦かなにかで故意落球を取られていたのを微かに記憶しています。

    さて、今回のプレーにおいての私の私見を述べます。

    主様には釈迦に説法で恐縮ですが、
    野球規則では補いきれないような細かな事案発生の場合のために、
    シーズン前にセパ6球団の責任者が集まってルール等の確認をする会合が行われます。

    確か「故意の落球」に対する定義も、いつぞやかしていたなぁと。

    主様の仰せの通り、
    今回の判断は「容易に捕球できるはずの飛球またはライナー」であるかどうかが
    要諦かと思われます。

    この場合は、不文判例法を適用し、共通理解になっていたかと。

    細かに言うと「容易に捕球(完全捕球)」に対する「故意の落球」の定義は、
    1.グラブに完全に収まった球を地面に落とした
    2.打球をグラブで叩き落とした
    のいずれかで、体に当てて落とした場合は「故意の落球に見なさない」としたはずです。

    それがあったため、数年前の話ですが、
    日ハム時代の小谷野(三塁手)が一死一二塁のシーンで、
    ライナー性の当たりを肩に当てて落として併殺を完成させたというシーンがありました。

    さて、今回の場合、映像を見ると、、、うーんどうでしょう?笑

    ハッキリとしたことは言えませんが、
    どうもグラブではなく腕もしくは腹部に球が当たっている気がします。
    身体の前ではなく、左後方に落球していますしね。
    だとすれば、故意落球の事項には該当しないかと。

    いやー、でも、グラブの土手に収まりかけた感じもします。
    だとすれば、故意落球という判断を許される範疇かと。

    なお試合後の伊東監督の談話によると
    「あれだけ強いライナー性の打球で故意落球だなんて初めて聞いたよ」と記者に言ったようですが
    某新聞では「故意落球なんて初めて聞いた」という部分だけ切り取られて報道されました。

    >伊東監督が「容易に捕球できずはずのライナーではない」と抗議すればいいのだが(それでも判定は覆らないだろうが)

    どうやら伊東監督は、ルールをきちんと理解したうえで、
    きちんと完全捕球できていないんだから故意落球には該当しないだろ
    と抗議していたようですよ。

    なお、故意落球の定義をわざわざ作ったのも、
    インフィールドフライとの線引きを明確にするためですから、
    まぁ、故意落球に関しては少し緩めでいいのかなというのが意見です。

    主様は、この勝負伊東監督の負けであると結論付けられていらっしゃいましたが、
    小生の中では、伊東監督と審判のドローで西武だけ勝ち(笑)です!

    面白い試合過ぎて、結局、最後まで見てしまいました!!

    • Mr.H より:

      お久しぶりです。コメントありがとうございます。私も同じような境遇で、しばらく野球を見る機会がありませんでしたが、やっぱり野球はおもしろいですね。

      さて、鈴木の捕球が故意落球に該当するかどうかに関しては、おっしゃる通り微妙であるとは思います。しかし、個人的にはどっちでもいい(笑)というのが正直な感想です。審判が、故意落球か否かを即座に判断すればそれでOKだと思います。少しでも審判のコールが遅れれば、どちらのチームにとっても酷い状況になるところでしたからね。

      故意落球と判断された時点で伊東監督の負けだと思います。一方、故意落球ではないと判断されてゲッツーが完成したとしても、田辺監督の負けにはならないと思います。なぜなら、田辺監督は抗議に行かないから(笑)

  2. 西武と言えばイマクルス より:

    >田辺監督は抗議に行かないから(笑)
    爆笑しました!

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